1996s Jean Paul Gaurtier

1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
1996s Jean Paul Gaurtier
ID : MST00002088
Designer : Recent maison vintage
Price : Sold


size 肩幅:30cm
身幅:42cm
着丈:48cm
material acetate73% × nylon18% × spandex9%
color Multi
condition A 全体的に綺麗な印象です。

ゴルチエ氏は、Pierre Cardinの元でノウハウやデザインを研究後、1976年にレディースコレクションからスタート。1984年にメンズコレクションも展開。メンズのプレタコレクションでは、80年代から97年(オートクチュールコレクションをスタート)までの作品が、飛び抜けて素晴らしい内容であると感興を抱きます。本作品はオートクチュールコレクションが発表される直前、プロトタイプのベクトルも見受けられる、1996年製の至極の逸品。

常に前衛的でアバンギャルドなる落とし込みを技巧的にコントロールするゴルチエ氏。エキセントリックなそれらの内容も、慎重に精査されたことが伺える圧巻のフォルムと細部に宿る痕跡。感覚がオーバーラップするより前に、極自然に受け入れることが適う其の正体は、紳士にとって欠かすことのできないマストピース、「ウェストコート/ジレ」で御座います。そもそもシャツは下着の延長である、あるいは下着である、と認識されているジェンツの世界では、仮にも、室内でジャケットを脱いだ際、下着姿で威風堂々と仁王立ちするわけにはいかず、そのためのウェストコート(英国名称、ジレは仏名称)の存在で御座います。スーツをビスポークする際、3ピースが基本とされることは此のためでしょう。そんなウェストコートを、伸縮性の優れた混合ファブリックにより丁寧に仕立てられた本品は、ミニマリズムの極致ともいえるプロポーションを獲得していながら、大胆にもごろりとした重厚感のあるジップを設置した、英国的でもフランス的でもない、極めて無国籍な作風といえましょう。氏の作品であると手の内を明かすまでは、10名中10名が正解しないであろうアノニマス香りが充満しております。先ず「宇宙」を表現したようなテキスタイルは、驚くことにすべて刺繍で表現されたディテイル。不規則に思えて実は何かしらの規則性が存在するだろうと疑いたくなる丁寧な仕事は、無目的に溢れた美しさのように硬質な気配が漂いますが、相反してよく訓練されたゴムのように屈強なメインファブリックの存在こそ、強烈なリアリティが見事に表れている素晴らしいお洋服。

そもそもとしてウェストコートという存在そのものは、トレンディなはずはなく、紳士/男性のため存在しているある種類の必需品。ファッションどうこうのレヴェルではなく、アバンギャルかつ前衛的、ジップを採用したシステムの上、宇宙の神秘のような刺繍が施された本作を、まっとうなベクトルで仕立ての良いブルーのシャツに何も考えず、さぞ当たり前かのようにチューニングを頂きたい想いであります。それこそ氏の狙いであり、オートクチュールコレクションを開始しようと目論む頃合いに誕生した本作の意義でしょう。 故に、コレクティブなベクトルや、アーカイブスとしての保有ではなく、あくまで紳士用ウェストコートの1着としまして、ご潜考の程を頂けましたら何よりに思います。