95 - 96 Autumn & Winterのコレクションはとある室内競技場で行われた、氏の初期の作品には欠かせないオーヴァーサイズ×テーラーメイクとスポーティー且つスクールテイストな要素を合わせ持つ、多様性を表現したコレクション。其れまでのクラシカルなクリエイションを主軸としつつも、一つのアイビーと言う題材に沿った挑戦的なアプローチだと解釈します。

ベルギーで製作されたウールセーターは体に沿わせる様にタイトなサイズバランスと浅目のVネックライン、腹部を囲うように走る4本の横縞。同コレクションではヴィヴィットな赤や青を用いたカラフルな色調のセーターを多く発表していますが、中でも落ち着いたオータムカラーの本品は上品さとミニマルな構築によるモダンな佇まい。クラシカル且つスポーティーな要素が融合したウールセーターは、色使いやカッティングから生まれる不変的な構築ながらにスリムなバランス感覚が斬新な一品です。コレクションルック同様に一枚でスリムテーパードなトラウザーズにタックインして着用するのは勿論、シャツやテーラードジャケットとのレイヤードを愉しむにも汎用性の高さが伺える、スタイルを選ばず装いに調和する逸品です。