まず、これでもかとミニマム且つシャープなカッティングは氏のセクシャルティ且つモダンな表現方法、ハイクオリティーで良質な物つくりの拘りを感じられます。当時 Gucci の業績不振を立て直した救世主と言っても過言では無い氏の正統的ながらクラフト感の強さは60年代から70年代に掛けて過去の Gucciを尊重しながらも革新的な再構築によって新に生み出され、後に現代のGucciにも通じるデコラティブながら非常に上品、優雅なコレクションだと感じて止みません。

男性へ向けた提案にも関わらす、マスキュリンという表現が妙にマッチしてしまう今回の一着。非常にタイトフィッティングながらにプルオーヴァーの構築と言う変質的なクリエーションと2003年春夏のコレクションを代表するボタニカル・モチーフの映えるエロティックで毒々しい色彩表情。エキゾチックなボタンレスでプルオーヴァーなスタイルはどこか民族調な印象も受ける、主軸としてのモードの存在とリファレンスされたボヘミアンなイメージを氏の解釈により再構築された ドレス・シャツ は振り幅の広さを感じて頂ける、フォーマルなトラウザーズにも退色したデニムにも其々の解釈へ落とし込んで頂ければ幸いです。