時にボストン、時にパントと呼ばれるこちらの形状。弊店は勝手ながらアイウェアにおいて最もスタンダードな印象を抱いておりまして、不変的で知的で優秀なスタイルであると捉えております。かけるだけで・かけ変えるだけで容易に印象変化をもたらすことのできる便利な“ ガジェット ”とも言えるアイウェアですので、意図的に攻撃的な方向にも優しい方向にも導くことが叶いますが、パント型は例えるならば初めて恋人の両親に逢う時に選びたい一本と申しますか、そんな周囲に良い波長を発してくれるような一本ではないでしょうか。

時代や国によって変化するアイウェアの方向性でして、御存知の通りフレンチ・オプティカルの文化も明確な存在感を有しておりますが、それらフレンチ・オプティシャンの間でフレームの太さを競う技術力誇示と細さを競う技術力誇示の異なる二つの職人文化が在ったのは御存知でしょうか。
太いフレームの異様な存在感も素敵ではありますが、弊店はかねてより後者、細さを追求する職人文化を好んでおりまして、場合によってはフレンチ・オプティカルらしくないのかもしれませんが、エッジや曲線美などが静かに際立つ繊細さが、モードの本国特有の美意識に感じられてなりません。

濃いブラウンとイエローカラーのコントラストが際立つ一品。優しさの中にはっきりとした個性を、さりげなく御自身の人柄に抽出してお愉しみ頂ける逸品です。