本品もフレンチワークに分類されるのですが、その装いを眼の前にしますとワーク感が一切ございませんので、その区分けに違和感を抱かずにはいられませんが、そこで立ち止まっても仕方ありませんので取り急ぎ弊店もフランスのワークウェアとして御提案させて頂きます。ワークウェア、労働者の衣類。これが？

とはいえ太い綿糸を高密度に織り仕上げたハードなコットンの顔立ちは流石なワーク・タフネスですが、なんともまぁ、素敵なテキスタイル。一度も水が通っていないデッドストックという類稀なる条件かつ製作されてから半世紀以上経過しているという点からも出来立ての色と風合い“ ではない ”と概ね断定できますが、いずれにせよ赤みがかったブラウンにくすんだブラックというカラーコントラストと織りの表情は弊店にとっては喜ばしい限りです。このモダニズム、皆様にとってはいかがでしょうか。

数多のデザイナーやクリエイターが教科書にする世界 ( 時に大々的に再現されることも珍しくありません ) ですので、ことトラウザーの類に関しましても申し分のない洗練性と実用性が融合しておりまして、不変性の高さは Levis 社の 501 を彷彿とさせ、洗練性はそれを上回ると言っても過言ではありません。レッグラインのバランスは様々あるのですが、中でも本品は特にスリムでシャープに仕上がっており、腰回りの包み込みと立体感に対する膝から下にかけてのテーパードバランスは、MY BEST レッグラインと捉える方居ても決して不思議ではありません。

タフなテクスチャー、色調とテキスタイルの個性と現代性、そして活動的でありながら美的なレッグライン。季節もスタイルも問わない “ 美しくも強いパンツ ” という最強のスペックを有した一本。本音を言えば全ての御客様方に御体感頂きたいのですが今回もやはり御一方のみとなりますので、御興味頂けましたら是非にと思います。