ウールだと毛質に応じた個性が在ったりウール×カシミアであれば艶っぽさとタフさの混合感がまた面白かったりそれぞれ魅力的なのですが、なんでしょうかこの Casimere100％ という素材の求心力は。惹きつけるだけでなく魅了して止まない蠱惑的で魔性なエネルギーの“ 絶対的な強さ ”は。この絶対感・全能感は間違いなくこれまでも在り続けるだけでなく、現代においては一層に貴重な要素ではないでしょうか。
いかんせん天然の素材ですので、一言でカシミアと括ってもそのクオリティランクははっきりと、かつ残酷に変わってしまいます。もちろんカジュアルなカシミアでも充分に魅力的ですが、ハイクラスとなりますと毛羽立ちが生じにくかったり毛羽立ったとて雰囲気が良かったり、より暖かかったり軽かったりしますし、なんと言っても素材としての強度が高く持ちが良かったりと結果的に機能性と実用性が高まりますので、しっかりとした予算が必要に成って然るべきであると、しっかりとした予算を費やして頂くべきであると素直に思います。

当然この時代におきましても社会的信頼性の高いバーバリーですし、本国のクリエイションとなりますとクオリティコントロールもランクも大変に厳しかったこともあって起毛表情はもう本当に蠱惑的。ブラッシングに100％レスポンスしてくれ風を当てる行為に100％レスポンスしてくれる、オーソドックスでシンプルであり、絶対的に美しい艶と柔らかさ。良い意味で性別の制限無く当然の如く時代にも制限されず、カジュアルにもドレスにも振れる万能さ。そのポテンシャルに言葉も説明も説得も不要であると存じます。

それがミッドナイトブルーカラーのチェスターフィールドコートスタイルとなりますともう暴力的なまでの格好良さ。これら不変的な紳士スタイルは近年におきましては一層に自由度を獲得しておりますので、正統派ドレスが絶対的であり軸であることを踏まえたうえでどうぞ好きなスタイルに変換してください。不変性やスタイル性が成熟し一着としての完成度が高ければ高いほどに、その一着はどんな着方も着こなし方も受け止めてくれる懐の深さを獲得してくれますので、どうぞご安心くださいませ。