これまで御提案してきた親愛なるドリス氏の作品群の中でも、より最初期に近しい一着。古いから貴重、最初期の方が良いという感覚を弊店は持ちあわせておりませんが、やはり特異に感じる空気感と言うかムードと言うか。

大きく開いたスタンドネックのフォルムといいモモンガのような身頃とスリーヴの調和といい作為的な着丈の短さといい癖に癖を積み重ねる攻めの姿勢ですが、なんと言っても最も“ やられた！ ”と感じるのは、その癖のミルフィーユを軽い織りで仕上げた点。
言うまでもなくニットの組成ですのでセーターと呼ぶべきファッションアイテムなのですが、カットソーのように仕上げることでスタンドネックはより独自の崩れ方をし、特徴的なパターンメイクがマイルドになり、セーターと呼ぶべきなのは分かっていながらセーターと呼ぶべきかを逡巡する、似た服が無い一着に着地しました。

そして文字通り点で注ぎ込まれたマルチカラーによるおそらくは初見で気付かないであろう・しかしながら第六感的に美しく感じて頂けるであろう織りのコントラスト。そう、こちらは単色ではないのです。この美しさはきっと感動して頂けることと思います。どうぞご期待くださいませ。改めて、人の眼って凄いですね。