ウールとアルパカを軸にした芳醇な混紡に、雪の結晶を思わせるノルディックライクなテキスタイルデザイン。ローゲージセーターにもやはり独自の求心力と中毒性と何よりな実用性がありますが、そこにドリス・ヴァン・ノッテンという“ ファッションデザイナー ”のマインドが加わると絶対的な独立性を獲得します。氏のクリエイションは例えば本品だと約二十年という時間を経ていますが、それが四十年六十年となろうとも輝きは決して衰えることはなく、ほぼほぼ間違いなく一層に輝かしさを獲得していることでしょう。

氏の初期クリエイションの中ではスタンダードなパターンメイクになることでしょうが、さりげなく無くされたリブなどの繊細な心遣いは流石ですし、やはりローゲージですのでナチュラルなボディフィットはなんだかんだで喜ばしい選択肢。

それにしても世に言うローゲージの中でも、特に特にロー。ここまで太いニット毛は稀に見られるながらも見慣れることはない独特な存在感とスタイル性と成ってくれまして、例えばこれがオーガニックなカラーリングでしたらそれもやはり素敵かと存じますが、このようなシックなカラーリングによるモード感もやはり良い。ムーディーです。

そして相変わらず美し過ぎる毛のMIXカラーには惚れ惚れしっぱなしです。より太いニット毛とあって一本一本の迫力は見事なものです。カフスの先端にグリーンカラーが集合していてエンドのパイピングのようになっていたりと、職人技術と自然が培った上質な気配と “ ファッションデザイナーによるモードデザイン ”の融合は、やはり心と身体に良い効能がございます。温泉につかりになかなか遠出できませんので、替わりと言ってはなんですがこちらで心身を癒してくださいませ。